「ザ・コーヴ」について
2010-05-08


「日本人に大バッシングのイルカ漁映画『ザ・コーヴ』、配給会社社長が反論!「日本人の手で撮影されなければならなかった作品」」
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米アカデミー賞も受賞した作品で未見の映画ですが、欧米の捕鯨反対の論調には私は納得出来ません。
とは言え、主張が違う、観ていて腹が立つからと言って、この映画の劇場公開に反対するとか、公開出来ないような状況にすることには勿論、反対です。
それは、あの「靖国」上映問題と同じこと。
私は、あの稲田朋美氏やその取り巻きと違い、政治社会体制として民主主義を支持するものですから。

日本の捕鯨をめぐる状況にはおかしな点が多々あるようには思います。
そういう点を考えていけば、捕鯨を止める、という選択肢もあるかもしれません。

しかし、
今の欧米の論調に従った形で捕鯨を止めることには断固、反対です!
欧米の人たちは捕鯨問題は環境問題だと言っているようですが、その本音のところは、「鯨やイルカは賢くて人間に近い。それを殺したり食べるなど残酷」、という点にあることは明らかだからです。
これは正に、一つの自然観、世界観の押しつけに違いありません。
そしてそのことは、「ザ・コーヴ」の内容が正しく証明してくれるだろうと考えています。

人間が、その知能の在り方によって自分たち以外の生物に価値の上下を付ける、など、なんと傲慢なことかと思います。
私は神を信じている訳ではありませんが、それは正に神のみに許されることでしょう。
私たちは、自らが生きて行くために他の生きているものを殺し、食べなければならない。その対象としてはいかなる動物も植物も同じです。

ルールはただ一つ。共食いは(非常時を除いて)タブーということ。
この地球上で、全ての生物は平等です。
ただ、どの生物も自分たちの命のために他の命を食べる。そこに許される区別は、それだけです。自分たちと自分たち以外。それも、自分たちの生を繋いでゆくためにのみ、許されるのです。
私たち人間にとっては、人間以外の生物は、自らの命のために摂取するという点で平等なのです。(なので、私は、菜食主義というものも理屈がないと思っています)
そして、動物も植物も何を食べようと、それを粗末にしないこと。(自分で言っていて耳が痛いですが・・・)

自分たち以外の生き物を、その知能の有り様で上下に区分する、という考えは、突き詰めれば、私たち人間をも、「知能」の有り様で区別するという「優生学」的思想に行き着くと考えます。

今の反捕鯨問題が、欧米の自然観、世界観の押し付けが本音である限り、捕鯨を止める事には断固、反対です。
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