まだ止まぬマスコミの原発偏向報道
2012-03-24


菅前首相へのバッシングは、同前首相が脱原発の姿勢を明確にしてから激しくなった感がありました。
恐らくその裏には「推進派」の動きがあるのだろうと思っていますが、その傾向は依然として続いているようです。

2月末に発表された福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)の報告書の中で、菅首相(当時。以下、同)が、バッテリーの大きさや調達状況など、本来、担当者が行うべき確認事項を自ら電話で担当者に確認し、同席していた人達が、「ぞっとした」思いでそれを見ていた旨、報告されている、とマスコミの多くで報道されました。
主要各紙の見出しは「菅氏の『人災』明らか」(2月28日付産経)、「菅首相介入で混乱拡大」(同読売)、「菅氏の原発対応を批判」(2月29日付朝日)といったもので、これを見た人は皆、やはり菅首相は首相の器ではなかった、辞めさせて良かった、と思った筈です。

ところが、
その検証委員会で、同席者としてヒアリングを受けた下村健一内閣審議官(51)はこう言っているそうです。
「原子力安全・保安院や東電などの関係者らが固まって動かなかった結果、菅首相が電話せざるを得ない状況になったことに『ぞっとした』のであり、首相を批判したわけではない」と。

これでは全く意味が違ってきます。
逆に、動くべき人、組織が動かない状況下で率先して対処しようとした菅首相の動きは、評価されるべきものとなるでしょう。

よく批判されている、東電へ直接乗り込んでいったことについても、あの時点で事故を抑える事が出来なければ文字通り、この国が壊滅しかねない状況だったのであり、その時に東電(福島原発の現場は別としても)の動きが鈍く、ましてや逃げ腰だった事態に対して、東電を本気で事故に取り組ませるために、この国のトップとして必要な判断だったのではないでしょうか。

私はネットの情報こそが正しく、マスコミは一切、信用出来ない、との考えではありませんが、マスコミの情報をそのまま鵜呑みにすることには慎重であるべきです。
同じ新聞の紙面でもあちこちに目を凝らせば色んな情報が見えてきます。(実際、このブログの情報も朝日新聞記事です)

第二次世界大戦時、軍部の検閲を受けていた新聞紙面でさえも、僅かな記事の合間に、隠された情報が見え隠れしていた、とも聞きます。
残念ながら今においても、そういうことを念頭に置く必要があるのかもしれません。
[社会・時事]

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