2007-03-17
話題になっている原作の映画化。
監督は滝田洋二朗氏だし、外れはなかろうと思っていたが、やはり観て損はなかった。
傑作とは言わないが、十分に佳作と思う。
まず、主人公・巧の家族の中での位置、特に母親との距離が微妙なことが冒頭から明らかにされそこから引き込まれてゆく。
母親、父親、弟、祖父、豪を始めとする新しい友人たちの位置が次第にはっきりきて、ドラマの骨格が浮かび上がってくる。
最初、固かった巧の表情、特に目の輝きが、後半から実に活き活きとしてくる。
笑顔が活きてくる。
クライマックスで、最高の笑顔になる。
観客には、そこで、その直前のシーンの父親の、(「巧に教えてやりたいんだ」という)セリフが効いてくる筈だ。
そして、ラストの終わらせ方も心憎い。
原作を読んでみたい、と思う気持ちになった。
駄作なら、原作を読みたいとは思わないだろう。
傑作で映画だけで満足出来るなら、やはりそこで終わってしまうかも知れない。
その中間。でも決して悪い意味ではない。
よく出来ていると思う。
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